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  • 2025年05月発行

    三笠産業メールマガジン Vol.196 bauma2025 出展レポート、bauma2025 展示会場

    三笠の京谷です。


    トランプ大統領の就任から100日。
    支持率の大幅ダウンやGDPの急激な下落が問題視されるなか、
    相変わらず強気な姿勢を崩さず次々と新しい政策を打ち出すトランプ大統領。
    その傍若無人な振る舞いに世界が翻弄されています。


    勿論、各国が自国の利益に基づく政策を実施するのは仕方がないことですが、
    民主主義国家である米国に於いて大統領のサイン一つでこれほどまでに
    大きな政策を発令できるとは驚きであり、民主主義とは何かを改めて
    考えさせられます。


    中でも世界中を混乱させ三笠の業績にも直結するトランプ関税については
    言いたいことが沢山ありますが、米中合意の例を見るまでもなく、
    今後どの様な結末を迎えるのか全く不透明なので今は敢えて語るのを
    やめておきます。
    ただ当初の強気一辺倒とは打って変わり、仕掛けた側の米国に焦りが
    出て来ているのは確かですね。


    それよりも、最近は王様の様に振る舞うトランプ大統領の姿を
    ヒトラーになぞらえたり。
    その政策、特に教育機関に対する攻撃を現代の文化大革命と揶揄したり。
    果ては中国を率いる習近平国家主席とロシアのプーチン大統領との三つ巴の関係を
    三国志に例えてみたりと、きな臭い論調が増えてきました。


    専制を志向する米中ロの指導者がそれぞれの思惑で行動し、強者の理論で
    他国を巻き込んでいく「新・三国志」の世界。


    戦後80年、曲がりなりにも保たれてきた世界秩序が崩壊しそうで心配です。


    今月も三笠をよろしくお願いします。


    代表取締役社長 京谷 弘也

    三笠通信

    bauma2025 出展レポート

     4月7日(月)~4月13日(日)ドイツ・ミュンヘンにてbauma展が開催されました。

     3年に1度開催されるbaumaミュンヘンは米国のCONEXPO、フランスのIntermatと並び世界三大建機展として知られ、今回で34回目の開催、三笠が出展するのは14回目となります。


     前回2022年はコロナ禍の影響により出展を見合わせたメーカーも多々あり、特に中国からは突発的に厳しい規制が発令される懸念から、メーカーの出展も来場者も無い、という状況下で開催となってしまいましたが、今回はコロナ以前のようなにぎわいを見せる展示会となりました。


     出展社:57ヶ国から3,601社(2022年:3,200社/2019年3,684社)

     来場者:200以上の国と地域から約600,000人(2022年495,000人/2019年627,000人)

     2022年開催に比べて来場者が増えた国、ブラジル、ポルトガル、ルーマニア、オランダ、トルコ、スペイン、中国


     コロナ禍以前のノーマルにやっと戻った!という印象です。

     ちなみにミュンヘンの人口は約134万人とのことですので、現地の人にとっては急に人口が1.5倍増になったような感覚に!?なるのでしょうか……

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    見える限りが展示会場ですが、

    これでも全体が収まり切っていません。

    入場口の混雑……


     参考情報:bauma 2025 final report(英語)

    https://bauma.de/en/trade-fair/press/press-releases/detail/bauma-2025-final-report.html


     今回の展示会でも引き続き電動製品が多く出展され、弊社にても量産機、参考出品としての試作機など含めて多数の電動製品を展示しました。

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    三笠ブースの様子


     中でも今回の目玉として展示した製品はDiesel Engineでお馴染みのHatz社と共同開発をしたコンセプトモデルMVH-508eZ。

     三笠としては初めてのバッテリー式リモコン型バイブロコンパクターです。

     この機体を動かすと来場者がどっと集まり、立ち止まり、たまたま通りがかったような人でさえも動いているのを見るや否や瞬時にカメラを構えて撮影を始める、今回は主役級の働きです。

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    三笠産業公式YouTubeチャンネルより

    (動画リンク元:https://www.youtube.com/watch?v=ygjpnZXtVWs


    ▼三笠産業公式YouTubeチャンネルはこちらから 

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     量産にはまだまだ時間が必要という状態なので、すぐにどうなるというものではないですが、それでも将来が楽しみに感じられます。


     また、baumaならではの小さなオペレーター達も弊社ブースを来訪しました。

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    こちらも将来が楽しみですね。


     少し余談を挟みますと、弊社はまだドイツに代理店がなく、欧州内にも支店が無いので、baumaミュンヘンは日本から製品・備品を送り、最後に出張メンバーが送り返しております。

     ということで本番の展示会前後に設営・撤収作業を行うので、人によってはなかなかハードなスケジュールとなります……。

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    ① 日本から届いた製品たちがお出迎え

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    ② 整然として展示会を待つ 屋内はこんな感じです

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    ③ 備品も含めてすべて返送の為に梱包します



    最後にここまで来たらようやく帰国できます

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     次回のbaumaミュンヘンは2028年4月3日~9日と発表されました。

     電動化の波は少々足踏みしているようにも感じられますが、 その間に水素のように脱炭素への別の代替エネルギーの選択肢が出てきています。 長いようで短い次の3年間でもさらに新しいアイディアが生まれているかもしれません。

     答えは次回のbauma2028で確認しましょう。

     その折には三笠ブースへもお立ち寄りいただけますと幸いです。

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    ミュンヘン市街地


    海外営業部 海外二課 鈴木 記


    bauma2025 展示会場

     開発部の堀口です。

     三笠ブースのご挨拶に引き続き、bauma2025の雰囲気をお伝え出来ればと思います。


     皆様もご存じのとおり、電動工具メーカーがバッテリー交換式の小型転圧機に参入し数年が経ちますが、baumaでも遂にお披露目となりました。

     アメリカのデウォルトはランマーとプレートを展示会入口に置き、目立つかたちで大々的にアピール。

     スウェーデンのハスクバーナはプロトタイプのプレートを数仕様開発中で、近々の市場投入を目指しているとのことです。建設や造園で培ったノウハウを土木に展開し、 将来はその逆も然り。私は取り敢えず展示スタッフ以上の操作技術で転圧し、気が付けば5~6名に囲まれ「お前は何者だ!?」の状態で爪痕は残しました。


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    開催初日朝で、早くも関心を集めるデウォルト社。

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    実機の稼働調査をさせていただきます。 プロトタイプのプレートです。


     次はbaumaの撮影スポット。

     ドイツのリープヘルがT264鉱山トラックに0が6個もある3.2MWh(メガワットアワー)の 据置きバッテリーで電動化をさせておりビックリしました。2024年に発表し、baumaでは 自律行動ソリューションAHSをマッチングさせ大々的に技術をアピール。急速充電ソリューションの 最大6MWで充電時間は1時間、いや30分!……どっちでしょうか。 今年の末からオーストラリアの鉱山企業と実地検証を始め、2030年には走り回っているとのことです。


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    巨大なタイヤの前での記念撮影がベストです。


     日立はコンセプトマシンとしてLANDCROS Oneを展示しておりました。

     自律走行に遠隔操作、従来の操作モードを切替え可能にし、カメラ、センサー、高度なデジタルアシスト を戦略的パートナーと共同開発しています。LANDCROS Connectでは異なるメーカーの建設機械データを一元管理し、 全員が同じデータを共有できる仕組みで、既に欧州北米市場では提供を開始しているとのこと。


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    シルバーの近未来デザインがコンセプトを強調。


     その他にも各ブースで他の国の大型建機を遠隔で動かすデモンストレーションが見られました。


     大手メーカーもさることながら、小型転圧機では中国メーカーのデザイン性に、イタリアメーカーの独特な雰囲気、 三笠と変わらない規模と思われるメーカーが弊社よりも先に、あの開発製品を展示していれば、シリア生まれで2015年に EY World Entrepreneurを受賞した企業もバッテリー式を開発しており、良い刺激を受けました。

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    デザインが目を引く中国メーカー。 地元密着の雰囲気が良いです。


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    交換式バッテリーの新型機です。


     前回のbauma2022では電動化によるゼロエミッションと自動化が前面に押し出された印象を受けました。会場のどこを見ても「0の旗」だらけでした。

     今回のbauma2025ではゼロエミッションや自動化の流れを継続しつつも、社会課題と実際の現場課題を調和させることが出来る多様な製品群で、建設土木業界が一致団結して一歩一歩技術革新を進めている雰囲気が心地よかったです。


    開発部 第二開発グループ 堀口 記

    編集室より

    GW中、学生時代に通っていた古書店をウン十年振りに訪れました。


    昔と変わらぬ雰囲気と品揃え。気に入った一冊を手に店を出ると景色に違和感。
    店のある通り沿いに、見覚えの無い調剤薬局が何軒も並んでおりました。


    何れも年季が入っており、当時も営業していたことは明らかです。
    大学病院の傍なので薬局があるのは当たり前なのですが、若い頃は縁が無く、
    まるで意識していなかったのです。


    自分は関心のある事しか見ていないのだと、思い知らされました。


    【 編集者 蝦夷の申 】